消しゴムはんこの作り方_実践編_第17回_ネロ・クラウディウス(Fate/GrandOrder)
[今回のテーマ]ネロ・クラウディウス(Fate/GrandOrder)
今回の消しゴムはんこは、『koboshinn(こぼしん)』さんからお借りした『ネロ・クラウディウス』のイラストから作りました。
原画はコチラになります。
これまでFate/GrandOrderのネロは何度か彫ってきました。ですが今回は今まで違うところがあります。それは『戦闘シーン』を切り取った表現になっているというところです。
今回はこの相違点が、消しゴムはんこ側にどう影響するのか注目したいですね。
今までのネロと違う『影』に苦戦
今回のネロは緊迫した戦闘のクライマックスシーンを表現したとのことで、影もそれらしい独特なものになっています。
ネロの消しゴムはんこを作る中で、今回一番問題になった箇所がこの影です。『1色1押し』(インクは1色のみ。インクの付け方を変えたり、消しゴムはんこを変更しての2回以上の押印はしない。)の仕様でどう表現するか迷いました。
一枚目の転写絵は原画の影を再現することを優先しすぎて、黒い塗り潰しでネロの大半が埋まってしまいました。表情もよく分かりません。(あえて分かりにくいようにする表現もありますが、今回は該当しないケースとして考えます。)
さらに言えば、インクの色はデジタルカラーやそのほかの画材と比較した場合、『色が重く』見えます。このことを考えると、影の量は原画よりも少なく調整する必要があります。
これらの問題点を考慮し、転写絵を作り直しました。今度は消しゴムはんこの左側の影を濃いめに表現しつつ、全体的には少なめに調整しました。
顔半分を覆うほどの濃い影が原画にはあるのですが、表情が分からなくなるので、消しゴムはんこの表現としては目元が分かる程度に影の量を減らしました。
もちろん、この表現が絶対的な答えではありません。作り手の力量を除外して考えたとしても、同じ原画に対して様々な解釈があり、解釈の数ほど表現があるでしょう。
ネロの剣を彫れば安全圏は大きく広がる
下準備として専用消しゴムへの転写を外周を彫り終えたら、最初に彫る場所を考えます。
今回の構図では、安全圏をジャマしているのはネロの持つ剣だけです。全体的に消しゴムはんこの左側にネロの体が描かれているので、剣を彫るだけで安全圏が大きく広がります。
しかし、本ブログ及び動画は『右利き』を想定しています。右利きだと剣を彫れば一気に作業が楽になるのですが、左利きの場合は残念ながら順番を考えなおす必要があります。
剣を彫ったらネロの首まで彫ろう
すでに序盤から広い安全圏があるので、この工程では(消しゴムはんこの下側から)ネロの首まで彫り進めます。
ネロの顔側から彫るときにだけ気を付ければ、作業範囲的にも難しくないと思います。今回難しい箇所は影の表現です。それはすでに終わっているので、あとは転写絵にミスや転写が薄い部分がないか確認しながら彫っていきましょう。
ネロの顔を髪を彫ろう
あとはネロの顔とリボンを含めた髪だけです。今回はアングルと描画範囲の関係で、工程は少なくなります。ここが終われば、仕上以外は終了となります。
通常、顔の表情は難易度が高めになることが多いのですが、今回はアップになって面積が広いのでいつもよりは彫り易いです。髪も同様で、面積の広さに助けられます。
ただ、髪は影という障害物が多いので彫るのに時間がかかるでしょう。転写が弱いと線や影が消えていることがあるので、一定間隔ごとに消しゴムはんこの絵が正しく写っているか、原画と転写絵を見て確認しながら進めましょう。
ここでは彫る順番に指定はありません。画像の順番は一例です。
ネロの彫り跡を均す
一通りネロを彫って、不要な余白を切り離した後は仕上げがあります。
彫り跡にサラエを入れて凹凸を均していきます。今回はピンポイントな指定はありません。各パーツの面積が広いので、サラエが入る箇所は全て均しておいた方がいいでしょう。
不慣れな方や無理にサラエを入れて壊すのが怖い方は、とりあえず自分でできそうな箇所全部にサラエを入れる程度に考えましょう。もし押印テストで不要な線が写った場合は、そのときにそこだけ取り除けばいいのです。
不要な線が写らなければ、ネロの消しゴムはんこの完成です。
講義動画はこちら
[YOUTUBE]
[ニコニコ動画]