ケモミミ消しゴムはんこ講座

消しはん屋看板娘のミヤマとカレンの作り方講座です。動画版もよろしくお願いします。

消しゴムはんこの作り方_実践編_第19回_紲星あかり(ゆかマキ劇場支援作品)

[今回のテーマ]紲星あかり(ゆかマキ劇場支援作品)

今回の消しゴムはんこは、かカカカさんが投稿されている動画の支援作品として制作しました。

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[支援先動画:ゆかマキ劇場 マイリスト]

www.nicovideo.jp

[原画]

seiga.nicovideo.jp

ニコニコ動画の作品では珍しい部類に入る手描き作品です。オープニングアニメが作り込まれていた入り、格闘ゲーム並に動くアニメーションもあったりと細かいところまでこだわった作品になっています。

 

今回制作対象に選んだ紲星あかりは、本編にはまだ登場していません。強烈なインパクトをもつ既存キャラ相手に、どのような性格で登場するか楽しみです。

 

あかりの序盤は 安全圏のない難所

 

転写絵を作って転写します。服装の腕のストライプ模様は、本ブログ及び動画で採用されている仕様との相性と、専用の消しゴムの耐久性の都合上省略しました。

 

まずは、あかりの周囲を彫るところまで進めましょう。

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この時点で気づいた人もいるでしょう。消しゴムはんこ内の安全圏は左上にしかありません。右利きを想定して作る本ブログ及び動画においては、消しゴムはんこ内の安全圏がない状態でのスタートとなります。

 

序盤はとにかく彫って、消しゴムはんこ内の安全圏を開けるしかありません。あかりの周囲を彫ったら、本体の彫り込みを始めましょう。

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最初はあかりの腰まで彫ろう

 

消しゴムはんこの下側に回りこんでいるあかりの髪を含めて、最初は腰まで彫りましょう。

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彫り込み量も多く、作業台の上の安全圏しか使えない勝手が悪い作業がしばらく続きます。彫る方向によっては、未作業エリアの線の上に手がくる可能性も高いので、手が線に接触しないように作業を進めてください。

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いきなり今回最大の難所を彫ることになりますが、ここが終われば消しゴムはんこ内の安全圏が一気に広がります。

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次はあかりの襟まで彫ろう

 

前項の過程でできた、消しゴムはんこの安全圏も使ってあかりの襟まで彫り進めます。この工程では、腕の下に伸びた髪も部分的に彫ります。

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ここらしばらくは、反時計周りに消しゴムはんこを回転せた方向をデフォルト位置にした方が作業しやすいでしょう。

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今回、ここでは髪の作業を腕の下のみで中断していますが、顔から左側にある髪まで全部彫ってもいいでしょう。先行するか、中断するかは各自の判断にお任せします。

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腕についても余白側の手から彫るか、肩側から彫るか判断が分かれるところです。

 

通常なら余白に飛び出た側を彫って安全圏の拡張を優先しますが、小道具をしっかりともった手で細かい作業になりそうだったので、本ブログ及び動画では肩側から彫りました。

 

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未作業エリア内のパーツ数が多いので、この例以外でも順番には個人差がでると思われます。結果的に襟まで彫れればこの工程としては終了です。

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あかりの顔と髪を彫ろう

 

あかりの顔と髪を彫ります。この工程では順番の指定はありません。本ブログ及び動画では顔→髪の順番で彫りました。

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 顔と髪を彫り終わったら、最後の仕上げに向けて不要な余白を切り離してください。

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あかりの彫り跡を均して仕上げよう

 

線の配置を見た限りでは、安定した圧がかかるパターンなので不要な線は写りにくいと思われます。

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一通りサラエを入れるのが面倒な人は、とりあえず余白とスカートだけ均してから、押印テストで様子を見ましょう。その結果、不要な凸部があれば取り除いてください。

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安定した線の配置なので押しやすいですが、影の配置の関係上、背中に気泡が入り易いです。端の方までしっかり押しましょう。

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あえて何度か捨て押ししてから、インクを消しゴムはんこに馴染ませると押しやすくなります。今回は、『不要な線が写らない』『気泡が目立たない』状態で押せれば完成とします。

 

講義動画はこちら

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消しゴムはんこの作り方_実践編_第18回_英雄王ギルガメッシュ(Fate/GrandOrder)

[今回のテーマ]英雄王ギルガメッシュ(Fate/GrandOrder)

 

今回の消しゴムはんこは、sorteさんから許可を頂いたイラストからの制作品です。

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原画はコチラになります。

www.pixiv.net

Fateシリーズの古参キャラの1人、英雄王ギルガメッシュ。シリーズ全体を通してとにかく強い。反則的に強い。シリーズにもよりますが、能力は『無限の武器』と書いて『チート』と読みます。

 

世界最古の物語として扱われている書物の主人公がモチーフになっているそうです。諸説ありますが、実在した人物でもあったとか・・・。もちろん、実際には筋力や化学を無視した能力はなかったでしょうが。

 

Fateギルガメッシュは破天荒・高圧的な印象ですが、元になった人物は意外に涙脆い性格だったそうです。

 

 英雄王ギルガメッシュの作業工程数は少なめ

 

まずは転写絵作成から周囲の彫り込みの下準備まで行います。ハガキサイズの専用消しゴムに転写するので、原画よりも描画範囲を狭くしました。

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今回、作業工程としては大きく分けて2つしかありません(※)。首を含めた胴体部分の工程と顔・イヤリング・髪の工程です。ただ、これはあくまでも本ブログ及び動画の独自の区切りなので、どこで区切るかは人それぞれでしょう。

 

※彫り跡を均す仕上げは別カウントです。仕上げを含めると3つの工程になります。

 

前半は英雄王ギルガメッシュの鎧を彫ろう

 

正確には英雄王ギルガメッシュの体から首までを彫ります。いきなり大胆な作業量を進めるので簡単に思う人もいるかもしれません。しかし、面積があるのではやり、それなりに時間がかかります。

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影が障害物となって作業効率を低下させるので、いつも通りの時間がかかると考えていいでしょう。 

 

セオリー通りなら利き腕側から彫りますが、英雄王ギルガメッシュの鎧がゴツく、肩の部分に大きなパーツがあって作業の邪魔になっています。今回は先に両腕を彫りましょう。

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邪魔なパーツを先に片付けるのと同時に、左右の安全圏を中央に寄せるので、中央の鎧の作業が楽になります。シンプルなデザインの服装なら、ここまで深く考えないで利き腕側から彫っていいでしょう。

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どちらの方法がいいか迷ったら、利き腕側から順番に処理していくのが無難です。

 

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後半は英雄王ギルガメッシュの顔と髪を彫ろう

 

イヤリングも含めて顔と髪を彫るのが後半になります。安全圏は不自由しないレベルで存在しているので、ここでの作業順番の指定はありません。

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本ブログ及び動画では、イヤリング→顔→髪の順で彫りました。

 

短髪の男性キャラクターなので女性キャラよりは難易度は低いと思います。髪型と影の関係で細かい線を彫ることになりますが、ここまで彫れた人なら苦戦することはないでしょう。

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 ここまで彫ったら、最後の仕上げに向けて不要な余白をカットしておきましょう。

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英雄王を仕上げよう

バランスのよい線配置なので彫り方がしっかりしていれば、彫り跡を均さなくてもそこそこ綺麗に押せるかもしれません。

 

しかし、意外な凹凸は邪魔することも多々あるので、サラエが入りそうな箇所は均しておきたいですね。全部均すのが面倒な人は余白と肩だけ均し、押印テストの結果をみて対処しましょう。

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今回は気泡が入り易い影の配置になっています。中途パンパな力加減だと気泡が抜けきらないので、消しゴムはんこが変形しない程度にしっかりと全体的に力を入れて押してください。

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あえて少量のインクのムラや気泡を残すことで、古い肖像画のような演出をする方法もありますが、今回の実践編においては『不要な線が写らない』『気泡がほとんど目立たない』なら完成とします。

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消しゴムはんこを作ること自体に慣れてきた人は、独自の押し方に凝ってみるのもいいですね。

 

講義動画はこちら

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消しゴムはんこの作り方_実践編_第17回_ネロ・クラウディウス(Fate/GrandOrder)

[今回のテーマ]ネロ・クラウディウス(Fate/GrandOrder)

 

今回の消しゴムはんこは、『koboshinn(こぼしん)』さんからお借りした『ネロ・クラウディウス』のイラストから作りました。

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原画はコチラになります。

www.pixiv.net

これまでFate/GrandOrderのネロは何度か彫ってきました。ですが今回は今まで違うところがあります。それは『戦闘シーン』を切り取った表現になっているというところです。

 

今回はこの相違点が、消しゴムはんこ側にどう影響するのか注目したいですね。

 

今までのネロと違う『影』に苦戦

 

今回のネロは緊迫した戦闘のクライマックスシーンを表現したとのことで、影もそれらしい独特なものになっています。

 

ネロの消しゴムはんこを作る中で、今回一番問題になった箇所がこの影です。『1色1押し』(インクは1色のみ。インクの付け方を変えたり、消しゴムはんこを変更しての2回以上の押印はしない。)の仕様でどう表現するか迷いました。

 

一枚目の転写絵は原画の影を再現することを優先しすぎて、黒い塗り潰しでネロの大半が埋まってしまいました。表情もよく分かりません。(あえて分かりにくいようにする表現もありますが、今回は該当しないケースとして考えます。)

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さらに言えば、インクの色はデジタルカラーやそのほかの画材と比較した場合、『色が重く』見えます。このことを考えると、影の量は原画よりも少なく調整する必要があります。

 

これらの問題点を考慮し、転写絵を作り直しました。今度は消しゴムはんこの左側の影を濃いめに表現しつつ、全体的には少なめに調整しました。

 

顔半分を覆うほどの濃い影が原画にはあるのですが、表情が分からなくなるので、消しゴムはんこの表現としては目元が分かる程度に影の量を減らしました。

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もちろん、この表現が絶対的な答えではありません。作り手の力量を除外して考えたとしても、同じ原画に対して様々な解釈があり、解釈の数ほど表現があるでしょう。

 

ネロの剣を彫れば安全圏は大きく広がる

 

下準備として専用消しゴムへの転写を外周を彫り終えたら、最初に彫る場所を考えます。

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今回の構図では、安全圏をジャマしているのはネロの持つ剣だけです。全体的に消しゴムはんこの左側にネロの体が描かれているので、剣を彫るだけで安全圏が大きく広がります。

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しかし、本ブログ及び動画は『右利き』を想定しています。右利きだと剣を彫れば一気に作業が楽になるのですが、左利きの場合は残念ながら順番を考えなおす必要があります。

 

剣を彫ったらネロの首まで彫ろう

 

すでに序盤から広い安全圏があるので、この工程では(消しゴムはんこの下側から)ネロの首まで彫り進めます。

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ネロの顔側から彫るときにだけ気を付ければ、作業範囲的にも難しくないと思います。今回難しい箇所は影の表現です。それはすでに終わっているので、あとは転写絵にミスや転写が薄い部分がないか確認しながら彫っていきましょう。

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ネロの顔を髪を彫ろう

 

あとはネロの顔とリボンを含めた髪だけです。今回はアングルと描画範囲の関係で、工程は少なくなります。ここが終われば、仕上以外は終了となります。

 

通常、顔の表情は難易度が高めになることが多いのですが、今回はアップになって面積が広いのでいつもよりは彫り易いです。髪も同様で、面積の広さに助けられます。

 

ただ、髪は影という障害物が多いので彫るのに時間がかかるでしょう。転写が弱いと線や影が消えていることがあるので、一定間隔ごとに消しゴムはんこの絵が正しく写っているか、原画と転写絵を見て確認しながら進めましょう。

 

ここでは彫る順番に指定はありません。画像の順番は一例です。

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ネロの彫り跡を均す

 

一通りネロを彫って、不要な余白を切り離した後は仕上げがあります。

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彫り跡にサラエを入れて凹凸を均していきます。今回はピンポイントな指定はありません。各パーツの面積が広いので、サラエが入る箇所は全て均しておいた方がいいでしょう。

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不慣れな方や無理にサラエを入れて壊すのが怖い方は、とりあえず自分でできそうな箇所全部にサラエを入れる程度に考えましょう。もし押印テストで不要な線が写った場合は、そのときにそこだけ取り除けばいいのです。

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 不要な線が写らなければ、ネロの消しゴムはんこの完成です。

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講義動画はこちら

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消しゴムはんこの作り方_実践編_第16回_綾波(アズールレーン)

[今回のテーマ]綾波(アズールレーン)

 

今回の消しゴムはんこは、『ぼどんこ』さんからお借りした『綾波(アズールレーン)』のイラストから作りました。

【綾波(アズールレーン)】「綾波~」イラスト/ぼどんこ [pixiv]

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アズールレーンを知らない人が『綾波』の名前を聞くと『某汎用人型決戦兵器』のあのヒロインを思い浮かべるかもしれませんが、見ての通り別人です。

 

アズールレーン綾波は、旧日本軍の戦艦『綾波』をモチーフにしたキャラクターになっています。ちなみにゲーム中ではある条件をみたすと『綾波改』となって、能力が向上し、容姿も少し大人っぽくなります。

 

綾波を彫る前の下準備(転写から外周彫りまで)

 

綾波を彫る前に転写絵を作り、それを専用消しゴムに転写します。外周まで彫る工程を下準備として作業します。

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転写後に影の反映を忘れていた箇所をみつけたので、訂正しました。綾波の腰のベルトのようなパーツのところです。ここで立体感が途切れているいように見えたので、影を追加したのです。

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綾波の脚(太もも)とスカートから彫ろう

 

今回は最初に彫りたいエリア、脚とスカートが比較的広い安全圏に囲まれています。綾波の描写範囲の関係で、左右にスペースがあるからです。

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上半身側から彫るときには線への接触に注意が必要ですが、その方向以外は安全圏が使用できます。彫り易い方向に消しゴムはんこを回転させて、脚からスカートのエリアを彫りましょう。

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太ももの左側、消しゴムはんこ全体で見れば左下の方にある剣と手も一緒にここで彫っていきます。

 

綾波の上半身を彫る前に小細工をしよう

 

順番としては上半身を首まで彫りたいところです。このまま彫っても間違いではありません。今回は上半身の服装部分を彫り易くするために、剣と剣を持つ手を別エリアとして考えて先に作業します。

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綾波の服と剣がシンプルなデザインだったら、上半身の服装と同時進行で首まで彫っていたかもしれません。

 

綾波の上半身の服装を彫ろう

 

前項の小細工のあと、綾波の首元の装飾の影を少し追加しました。微量な追加なので、無視しても問題ない範囲だと思います。個人的に気になって追加したという意味の方が大きいです。

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綾波の上半身の服装の作業は右腕(※反転しているので原画では左腕)を先に彫ると、左側の安全圏を中央に寄せることができるので、少し楽になります。腕のついでに、左側に出ているパーツも一緒に彫りましょう。

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そのまま彫れそうな箇所でも、前もって安全圏を広げておいた方が作業ミスの可能性は低くなります。

 

 綾波の顔と髪を彫ろう

 

これで残りの未作業エリアは、綾波の顔と髪飾りを含めた髪になりました。

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この工程に作業順番の指定はありません。本記事及び動画では、顔から髪の順で作業を進めました。

 

今回の髪の作業は右下から上の髪飾りを含めた上側を通り、左下へ向かう流れで彫りましたが、この流れで作業しにくいと思った場合は、先に髪飾りを彫って上側の安全圏を広げてもいいでしょう。

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綾波の彫り跡の凹凸を均す

 

綾波の周囲の不要な余白を切り離したら、彫り残しが出やすい箇所に見当をつけて彫り跡の凹凸を均します。

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画像の指定範囲以外も均す場合は、サラエで綾波の線を壊さないように注意してください。余白だけ均して、押印テストの結果で作業エリアを判断してもよいです。

 

(※本ブログ及び動画では、彫り跡にインクが入り込みやすい箇所=彫り残しが目立つ箇所と考えています。)

 

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実際に押印してみると指定した範囲にある腕は読み通り、彫り残しが目立ち易いようなのでしっかり均さないいけません。太ももは圧が安定しているようでした。ふとももに巻かれた包帯が力を分散させたのかもしれません。

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予想外だったのは綾波の顎と胸の間にあった空間です。ここが彫り残し出やすい箇所だったようです。今回は余白の一部を考えて先に彫っていたので、押印テストでは線が出ませんでした。

 

この空間を余白として考えいなかった人は、彫り残しが出ている可能性があります。

 

不要な線が写った場合は、該当箇所を取り除きましょう。不要な線が写らなくなれば、綾波消しゴムはんこの完成です。

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講義動画はこちら

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[ニコニコ動画]

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消しゴムはんこの作り方_実践編_第15回_結月ゆかり(VOICEROID)

[今回のテーマ]結月ゆかり(VOICEROID)

 

今回お借りした原画は、『ニコニコ動画』の『ゲーム実況動画』のヒロイン代表と言えばこのお方、『結月ゆかり』です。

 

ョォさんの投稿作品からお借りしました。

【VOICEROID】「ゆかりさん」イラスト/ョォ [pixiv]

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音声読み上げソフト『VOICEROID』の中でも上位の人気があるキャラクター及びソフトウェアです。

 

よくVOCALOID』と『VOICEROID』を混同する人がいますが別物です。前者は『歌を歌うための合成音声』、後者は『テキストを読み上げるための合成音声』の違いがあります。

 

ちなみに私が動画で使用している音声読み上げソフトは『CeVIO』なので、『VOCALOID』とは仕様等が異なるソフトウェアになります。

 

ちょっとややこしいのが、『VOCALOID』と『VOICEROID』で同じキャラクターの製品があったり、ソングデータは『VOCALOID』なのにトークデータは『CeVIO』ででているイレギュラーなキャラクターがいます。

 

混同する人がいるのはこういった、別系統シリーズで同じキャラクターを使った製品がでているからだと思われます。あるいは、『VOCALOID』の『初音ミク』が有名過ぎて、『合成音声=VOCALOID』と認識されているからかもしれません。

 

ゆかりの下側の安全圏を広げよう

 

前準備としてゆかりの外周を彫り終わったら、まず最初に考えることは序盤の安全圏の確保です。

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本ブログ及び動画では基本的に下側から上側へ彫るので、消しゴムはんこ下側に安全がほしいところです。

 

転写後に消しゴムはんこを確認したところ、上側は比較的開けていますが、下側は描画範囲が広いので安全圏がほとんどありません。作業台の上にある安全圏だけでは作業性が悪いので、消しゴムはんこの中にもこの安全圏を広げたいですね。

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そうなると最初に彫るのは、ゆかりの腕になります。ここでは全部彫る必要はありません。画像で指定したエリアだけ彫れば、消しゴムはんこの中に序盤の安全圏を作ることができます。

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彫り進み過ぎた、あるいは全部彫ってしまった。そうなっても間違いではありません。

 

ゆかりの胴体よりも外側にはみ出した部分までが彫れていいれば、ここでの目的は達成しています。

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ゆかりの服を彫り終えよう

 

複雑なデザインの服装の場合は工程を区切りますが、今回は比較的シンプルなデザインなので、次はゆかりの服を全部彫りましょう。

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前の項目で腕の一部を彫っているので、安全圏の面積と形状が変わっていることに注目しましょう。ゆかりの頭の方からは彫りにくいですが、消しゴムはんこを回転させて、できるだけ彫り易い方向から彫りましょう。

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リボンの線が細いので、デザインナイフを浅く刺して垂直にたてるくらいの気持ちで彫ってください。利き手側に傾む人のクセを利用してV型の溝を彫り込みましょう。

 

細い線を彫るコツを忘れた、または自信がない場合は、先に基本編の記事か動画を確認して作業してください。

 

ゆかりの残りの未作業エリアを彫ろう

 

この時点で未作業の箇所は、首と顔と髪です。周囲の安全圏が広くなってきたので、とくに順番を気にしてなくても問題ありません。本記事と動画では仮の順番で説明します。

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この工程で最初に彫るのはゆかりの首です。

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次は髪ですが、まだ全部は彫りません。肩にかかった部分だけ彫ったら一度、髪の作業は中断して顔を彫りましょう。顔を彫り終えた後、髪飾りを含めた髪の残りを彫ります。

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ゆかりの彫り跡を均そう

 

一通り彫り終えたら、不要な余白を切り離して仕上げ作業をしていきます。

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サラエを入れて、彫り跡の凹凸を均す箇所をどうするか。線がバランスよく配置された構図なので、とりあえずは余白だけ彫り、あとは押印テストで様子をみます。押してみて不要な箇所が写ったら、そこだけ取り除けばいいかと思います。

 

見た目的に他の箇所の凹凸の残りが気になるなら、無理のない範囲でサラエを入れていきましょう。

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不要な押印カ所がなければ、『結月ゆかり』の消しゴムはんこの完成です。

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実際に押してみないと分からなかった『結月ゆかり』はんこの問題箇所

 

最後に行うサラエ入れの作業は、消しゴムはんこの『破損を防ぐ』意味で無理に行う必要はありません。あらかじめ不要な押印箇所が出そうな箇所を予測して均すか、押印テストで写った箇所を取り除く方法が無難です。

 

見た目の問題として均すこともありますが、自信がない場合は最低限以上の作業をしないほうがいいでしょう。

 

しかし、実際に押してみないと分からない問題箇所もあります。今回の例では胸元に寄せた腕が該当箇所でした。インクをつけたあとの画像を見ると、凹部にインクが入りこんでいることが分かります。

 

ここで彫り跡の凸部分が高いと不要な押印箇所として写ります。つまり、不要な線が写りやすい箇所が存在していたということです。

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処理の順番としては先に予測して均しても、押印テストの結果後に均しても、最終的に不要部が写らなけば問題ありません。

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消しゴムはんこの作り方_実践編_第14回_三笠(アズールレーン)

[今回のテーマ]三笠(アズールレーン)

今回の消しゴムはんこは、トサカさんから許可を頂いたイラスト『三笠大先輩』からの制作品です。

 

【アズールレーン】「三笠大先輩」イラスト/トサカ@C93二日目東B29b [pixiv]

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アズールレーンに登場するキャラクターで、第一次世界大戦以前の旧式の戦艦をモチーフにしています。

 

このゲームにはキャラクターが所属する組織が複数登場し、お互いに複雑な事情をもってストーリーに絡んでいきます。三笠は所属するのは重桜(じゅうおう)という日本をモチーフにした(と言われている)組織です。

 

キャラクターによっては真価を発揮するのに、この所属組織の分類が重要になり、三笠の場合は同じ重桜に所属するキャラクターをパワーアップさせる能力をもっています。

 

また、今回の消しゴムはんこでは何カ所か作業進行中に、転写した転写絵に修正を加えていますが、本記事では省略します。気になる方は、本記事の一番最後にリンクのある動画版をご覧下さい。

 

三笠の腕の一部を彫る

 

三笠の周囲を彫る作業のあと、最初にやるべきことは消しゴムはんこの中に安全圏を作ることです。今回の三笠は、胴体部分の左右に余白がないために作業効率が悪い状態から始まります。

 

作業台の上だけの安全圏では勝手が悪いので、序盤の足掛かりとして両腕の一部を彫っていきます。あくまでもここでは、序盤の安全圏確保が目的なので全部は彫りません。

 

どの程度ここで彫っておくのかは画像を参照してくだい。

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三笠の腕から下を彫る

 

ここも腕同様、全部は彫りません。軍服は、腕から下の部分だけここでは彫ります。

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上側から彫らないといけない場合以外を除いて、先に作っておいた安全圏がここで役に立ちます。彫り易い方向に消しゴムはんこを回して作業を進めましょう。

 

このまま腕と軍服の残りと進めたいでしょうが、終盤のことも考えて別の箇所を彫ることになります。

 

三笠の肩を彫って安全圏を寄せる

 

終盤の首回りの作業のことも考えると、肩を彫って安全圏を広げておきたいです。ここを彫ることで両サイドの安全圏が、全体的に中央寄りに広がります。

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三笠の腕と軍服の残りを彫る

 

腕と軍服の未作業エリアを左右と下から囲むように見えてきた、消しゴムはんこの中の安全圏を使って、腕と軍服を彫っていきましょう。

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腕から襟に向かって処理していくと、彫り易いでしょう。正確には、先に腕を彫り終えてから、軍服を彫る順番になります。全体的な進行方向が腕側から襟にかけてと思ってください。

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三笠の髪と顔を彫る(+角)

 

三笠の顔と髪を彫る前に、肩から横に伸びている後ろ髪だけ先に彫ります。さらにそこから首を彫ることで、顔と髪の未作業エリアを彫るには不自由しない安全圏が出来上がります。

 

十分な安全圏があるので、本記事及び動画では顔を先に彫りました。

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顔を彫り終えたら、髪の残りを角を含めて彫っていきます。ゲーム内の設定を知らない人は『角?』と思うでしょうが、これはアズールレーンにて、重桜に所属するキャラクターの特徴です。

 

例外もありますが、獣の耳や角などの身体的な特徴をもつのが重桜のキャラクターの特徴なのです。

 

三笠の彫り跡を均す

 

不要な余白を切り離したら、最後の作業として彫り跡の均しが残っています。

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今回は消しゴムはんこ表面のビジュアルに拘らないなら、周囲の余白だけでも十分だと思います。そのあとは押印テストで不要箇所が出た場合のみ、部分的に均します。

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他の箇所にもサラエを入れる場合は、無理にサラエを入れて凸部を壊さないようにしてください。

 

三笠を彫り終えた・・・そして指も彫った?

 

今回は作業中にアクシデント(?)が発生しました。

 

私はキャップをしめた彫刻刀やデザインナイフの先端をふと、触ってしまう時があるのです。本当は危ないクセなのでやめた方がいいのです。

 

いつかはやるかなと思っていましたが、キャップをしめたつもりのサラエの先端を指で触ってしまったのです。もちろん、ちょっと刺さりました。

 

最後のサラエ入れは、消しゴムはんこに血をつけないように絆創膏を貼って行いました。

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意外と『消しゴムはんこを彫っている間』は怪我はしません。なぜか、作業とは関係ない場面で怪我してしまうのです。

 

これは消しゴムはんこ作りに限ったことではなく、刃物などを扱う作業全般に言えることだと思います。皆さんも怪我のないように作品作りをしてください。

 

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