消しゴムはんこの作り方_実践編_第11回_大鯨(艦隊これくしょん)
[今回のテーマ]大鯨(艦隊これくしょん)
今回原画として使用するのは、『asimo953』さんのpixiv投稿作品『ねむたいげい(ワンドロ)』です。
【艦これ】「ねむたいげい(ワンドロ)」イラスト/asimo953 [pixiv]
イラストの大きさを専用消しゴムに合わせた感じでは、もう少し簡略化すればはがきサイズから、はがきハーフサイズでも可能だったかもしれません。
ですが、借りた絵である以上は作り込みをしっかりしたいと思い、はがきサイズを使用ることにしました。今後もよほど例外的な作品でないかぎりは、基本的にはがきサイズの専用消しゴムを使用します。
安全圏に囲まれて始まる大鯨の消しゴムはんこ作り
今回の大鯨はもともとの描画範囲が狭いこともあり、周囲にある程度の安全圏が存在した状態で作業が始まります。
転写した線への接触には注意が必要ですが、いつもほど神経質にならくていいと思います。
安全圏を広げつつ、順番を考えて彫り進めていくのはいつも通りです。正直、これくらいのサイズだとシビアに順番を考えても意味はないのですが、違和感がないようにセオリー通りに進めていきます。
また、動画では画像撮影の都合上、大鯨上下の余白を最初にカットしています。(本来なら、終盤の余白カットで一緒に切り離します。)
大鯨の背景を文字ごと彫っていこう
最初は大鯨の周囲を文字ごと彫っていきます。『Z』と『たいげい』の文字は、周囲をざっくり彫ってから細かい作業をしましょう。過去動画にもある通り、ある程度範囲を狭めてから彫り込むほうが精神的に楽です。
泡?のような背景も同様に彫ります。
余白に関しては深く考えず、表面を落とす程度に簡単に彫っておきます。凹凸の均しを終盤の不要余白カットに行うので、ここで丁寧に仕上げる意味はありません。
大鯨の抱きしめた鯨を彫ろう
先ほども言いましたが、今回ほど描画範囲が狭い場合にはどこから彫っても大きな差はありません。でもここは、セオリー通り利き手側からということで、大鯨の抱きしめた鯨を彫っていきましょう。
一番右側の出っ張ったパーツを彫ったら、尾ひれ→頭(顔?胴体?)→残りのパーツと彫って鯨を完成させます。細かいパーツは鯨の目くらいでしょう。
開始直後から安全圏がある程度存在していたので、そこまで恩恵を感じないでしょうが、これでほぼ右半分が安全圏として追加されます。
鯨が終わったら大鯨本体の作業へ
鯨の次は大鯨本体を・・・ここもとりあえずは、顔と髪以外をセオリー通りに下側から上側へ彫りこんでいきます。
大鯨の服装まで彫り終われば、未作業エリアで細かい作業をする場所はもうないと思います。
このような箇所を彫る場合、私は影の位置や量を調整しながら彫っていきますが・・・個人的な拘りや感性による変更という意味合いが大きいので、慣れない方は転写絵通りに彫っても問題ありません。
ここまでくればあとは、大鯨の顔と髪だけです。
動画版では2人が余計なことをやっていますが、普通に彫っても何も変わりません。
大鯨のサラエ必要箇所はわかり易い
終盤は不要な余白カットからのサラエ入れになります。よほど彫り跡の見た目を気にしない限りは、余白のサラエが入りそうな箇所と鯨の頭?(顔?胴体?)の面積が広い箇所を均すだけでよいでしょう。
あとは押印テストで、不要な接触があった凸部だけ除去してください。もとが小さいので、少しでも手が滑ると簡単に押印面を壊してしまいます。サラエ使用時にはあまり勢いをつけないようにしましょう。
大鯨の消しゴムはんこ作りの反省点
今回の大鯨は、鯨をぎゅっと抱きしめている感じを表現したくて、懐の影を濃くしてみましたが・・・大鯨と鯨の境界線が曖昧になった気もします。
だからといって、主線をはっきり彫りすぎると抱き寄せる力が弱いようにも思いました。
境界線を無視してあえて濃い影を作る手法もあるので間違いではないのですが、もう少し境界線を意識して影をつけるべきだったかなと思います。
影の中の主線を彫り彫りこむ方法もあります。ですが、逆彫り(主線を凸でなく凹にする)は失敗すると間抜けな線に見えるので使いどころが難しいのです。
原画の構図や雰囲気によっても向き不向きな手法があるので、それらも考慮してより良い表現法を考えていきたいですね。
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